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01 かくしごと

下ネタ満載のギャグ漫画家である本作品の主人公「後藤かくし」と、その娘である小学生の「姫」との親子モノ日常コメディ、不穏な要素も少しあったが序盤は「あぁ、よくある親子モノ日常コメディか……」と思っていた。そう、序盤までは。

 

本作品は基本的に主人公のかくしが下ネタ満載のギャグ漫画家であることを娘の姫に悟られないように工夫を凝らすアニメである。

例えば、漫画家なのにスーツ姿で出勤したり、娘が万が一職場(漫画を描いている部屋)に来た時に真面目に会議をしているようにみせる練習をしたり、自分の漫画のキャラクターが描かれている海賊版のお菓子を買い占めて娘に自分の漫画のキャラクターを見せないようにしたり。など自分が漫画家であるということを娘に知られない為に孤軍奮闘するのがこの作品のお約束の流れである。

 

この基本となる部分もとても面白い、姫のためを思って少し過保護気味になるかくしの様子は見てて楽しいし、自分も「もし娘がいたら…」と思ってみると、すごく共感できる部分がある。

そしてタイトルのかくしごと、という言葉はこの日常パートにおいての「自分が下ネタ満載のギャグ漫画を描いている」という隠し事を指している、タイトルについてはこれを含めて4通りの意味合いがある。

 

この基本要素も勿論面白いが、この作品は日常コメディという要素以外にも後2つ要素がある。

1つ目は「専門的アニメ」という要素

2つ目は「感動アニメ」という要素だ。

 

まず1つ目の専門的アニメという要素についてだが、例えばこれを読んでいる人は「理系が恋に落ちたので証明してみた」や「AxisPowersヘタリア」という作品を知っているだろうか、どちらもアニメ化している有名な作品だが共通点がある、それは「これを読めば作品が題材にしているモノがわかった気になる」ということだ。

例えば「理系が恋に落ちたので証明してみた」は理系の人がどういう価値観で行動する人が多いのかや、理系の人の恋愛事情などについての、わかる人にだけわかるあるあるネタが多い、

「AxisPowersヘタリア」も同じくその国の特色や地域性など、住んでる人にはわかるあるあるネタが複数仕込まれている。

これと同じように本作品には漫画家としてのあるあるネタが複数仕込まれている。

例えば絶対コネで採用されただろ……ってわかるレベルの無能編集がいたり、有能な新人はデビューしていくからあんまり欲しくないっていうセリフがあったり、漫画家がデッサンを描くとデッサンが漫画チックになったりなどの

「漫画家あるある」が敷き詰められているのだ。

そんな漫画家あるあるを作品中で無意識にみていく内に漫画家というものについて深く知れたような、新たな知識が身についたような感覚になる。それがこの作品の面白さの1つ専門的アニメ要素だ。

また、タイトルのかくしごとの意味の2つ目が

かくしごと」→「描く仕事」→漫画家を指しているので、描く仕事の隠し事という上手い意味のタイトル付けとなっている。

 

2つ目の感動アニメという要素、これがこのアニメを日常コメディだけで終わらせない核となる要素である。(かくだけに)

最初に言った「不穏な要素も少しあった」という言葉通り、この作品には所々不穏な要素がある。頻度でいえば1話に1度、2〜3分あるかないか程度で「母親も父親も亡くなって成長した姫だけになってしまったのではないか?」 と思わせるようなシーンがある。

この匂わせのようなシーンはだいたいストーリーの1番最初か最後に組み込まれていて、基本となる日常パートに埋もれないような構成になっている。

また12話まである内の11話までずっと、日常コメディ9割、シリアス1割で続いていくが、最終回の12話でこの2〜3分の伏線が一気に回収される、あのいつも通りの日常はどうなったのか、姫のこれからはどうなるのか、かくしは本当に亡くなっているのかなどありとあらゆる事がわかってくる。

ただしここで惜しいところがあるとすればこの感動シーンの展開が急すぎるなと感じるとこである、11話数までシリアスパートが本当に2〜3分しかないのでラストの12話だけが際立ちすぎて「一気に変わったな」と感じてしまう、そこが少し惜しいなと思った。

 

そしてタイトルの3つ目かくしごとの意味合い、それは姫にとって大切な父親の名前そのものである「後藤かくし」を名字と名前反転させると「かくし後藤」→「かくしごとう」→「かくしごと」う。が浮かび上がってくる。また、ラストシーンでわかる4つ目のかくしごとは、「姫の隠し事」だがそれは是非本編で確認してほしい。

 

【総評 75点】

漫画家のあるあるネタや親子の日常メインのコメディアニメだが1話1話何処か少し不穏で最後には感動できる面白いアニメだった、が、毎回の展開がストーリーは違うにしろ単調で日常ものに耐性がない人にとっては退屈かもしれない。また日常パートが丁寧に描かれてるだけにラストの感動展開にもっていくまでの急すぎる感じがどうしても気になってしまった。

だが日常コメディが好き親子のほのぼのアニメが好きな人なら楽しんで見れるし個人的にはとても好きな作品だった。

また、この作品「さよなら絶望先生」でお馴染みの久米田康治先生の作品で絵柄が先生の絵柄をキチンと再現しているしキャストなどもさよなら絶望先生の時のキャストさんが担当していたりして、久米田康治先生の作品が好きなら2倍、いや、3倍は楽しめるアニメ作品に仕上がっている。またさよなら絶望先生のような独特な癖のある雰囲気はあまり無く、どちらかというと爽やかほのぼのコメディな印象が強いので、個人的にはさよなら絶望先生よりも人に進めやすい感じはする。

 

色々言ったが、個人的にはすごい面白かったし好きなタイプの作品だった、ここ数ヶ月は「ほのぼのアニメオススメある?」と聞かれたらこの作品を答えるくらいには良かった。ただし上記で少しだけ話をだした無能編集件担当が死ぬほどウザイ、現実にいたらと考えるととんでもなくイライラする、でも彼が作品にいい味を出していてなんとも言えな気持ちになる。悔しい…。

 

 

 

 

ずっと書いてみたかったレビュー記事を書いてみました。とりあえず今回はテストで見終わったものをすぐレビューしてみました、何回も見たアニメじゃないので深いとこはしっかりと考察出来てないですが文章つくりの練習になればいいなと思い殴り書いてみました。

さよなら絶望先生の人の漫画原作ということしか知らなかったので、薄暗いアニメかなと思ったらすごく爽やかでビックリしました。久米田康治先生特有の自治ネタ?や皮肉っぽいネタもあまりなくとにかく見やすかったです。

多分この作品って家族の絆や家族の大切さ、ありふれた日常の幸せがテーマなんですけど、絶望先生とは割と真逆な関係にあって面白いなってちょっと思いました。

今回ははじめて見た作品のレビューですが、今度は何度も見て考察もしっかりとしたアニメを、レビューしたいと思っております。また次回をお楽しみに。

 

あにあに!管理人/蝉